全身性障害者ガイドヘルパー養成研修は、全身に障がいがある方々の外出支援を行うための専門的な研修です。この研修を修了することで、車椅子を常時使用している方や重度の身体障がいがある方の移動介護に従事することができます。研修では、障がい者の権利や尊厳を理解し、適切な支援技術を身につけることを目的としています。全身性障がい者の特性や疾病について学び、安全で快適な外出支援を提供するための知識と技術を習得します。
研修は合計16時間で構成されており、講義12時間と演習4時間に分かれています。講義では、障がい者福祉に係る制度やサービス、ガイドヘルパーの制度と業務、全身性障がい者の疾病や障がい等について学びます。また、移動支援に従事する際の職業倫理や、利用者の自立支援に関する基本的な考え方も重要な学習内容です。コミュニケーション技術や緊急時の対応方法についても詳しく学習し、現場で必要な知識を幅広く習得していきます。
演習では、車椅子の操作方法や移乗介助の技術を実際に体験しながら学びます。外出先での排泄介助や食事介助など、身体介護に関する実技も含まれています。利用者の安全を確保しながら、効率的で負担の少ない介助方法を身につけることが重要です。また、実際の外出場面を想定したシミュレーション演習も行われ、様々な状況に対応できる実践力を養います。これらの演習を通じて、理論で学んだ知識を実際の支援に活かす技術を習得するでしょう。
研修を修了すると、全身性障害者ガイドヘルパーとしての資格を取得できます。修了認定は試験ではなく、指定された全日程を履修することで行われます。この資格により、障がい者総合支援法に基づく移動支援事業や重度訪問介護事業などで活躍することが可能になります。利用者の社会参加を支援し、その人らしい生活の実現に貢献できるやりがいのある仕事です。資格取得後は、継続的な学習と経験を積み重ねることで、より質の高い支援を提供できるプロフェッショナルとして成長していくことができるでしょう。