必要な資格を確認しよう

移動介護従事者の資格は、障がいの種類に応じて3つの専門分野に分かれています。視覚障がい者を支援する場合は「同行援護従業者養成研修」、知的・精神障がい者を支援する場合は「行動援護従業者養成研修」、全身性障がい者を支援する場合は「全身性障害者ガイドヘルパー研修」の受講が必要です。これらの資格は、それぞれの障がい特性に応じた専門的な支援技術を身につけるためのものです。

同行援護従業者養成研修は、視覚障がいにより移動に著しい困難を有する方の外出支援を行うための研修です。一般課程と応用課程の2つに分かれており、一般課程は20時間、応用課程は12時間で構成されます。受講資格に制限はなく、どなたでも受講可能です。研修では代筆や代読などの情報支援技術も学びます。行動援護従業者養成研修は、知的・精神障がい者の外出時における行動上の困難を予防し、安全を確保するための援護を学ぶ24時間の研修です。

全身性障害者ガイドヘルパー研修は、全身に障がいを抱え、常時車椅子を使用している方の外出支援を行うための16時間の研修です。車椅子での移動支援や外出先での排泄介助などの身体介護技術を習得します。受講資格は地域によって異なり、誰でも受講可能な場合もありますが、一部地域では介護職員初任者研修や実務者研修の修了が求められることもあります。これらの研修を修了することで、それぞれの専門分野でのガイドヘルパーとして活動できるようになります。

各研修とも修了後に試験はなく、研修を最後まで受講することで資格を取得できます。研修は都道府県や指定研修機関で実施されており、地域の介護施設や福祉センターなどで開催されることが多いでしょう。これらの資格を取得することで、障がいを持つ方々の社会参加を支援する重要な役割を担うことができ、やりがいのある仕事に従事することが可能になります。